“ひらばり”の漢字の書き方と例文
語句割合
平張100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御仮屋おかりやは新しい平張ひらばりで、正面に紫の幕、緑の机掛、うしろは白い幕を引廻し、特別席につづいて北向にうまや、南が馬場でした。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
見物は相不変あいかわらず、日傘の陰にも、平張ひらばりの下にも、あるいはまた桟敷さじきの欄干のうしろにも、簇々ぞくぞくと重なり重なって、朝からひるへ、午からゆうべへ日影が移るのも忘れたように
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そのほか、日傘ひがさをかざすもの、平張ひらばりを空に張り渡すもの、あるいはまた仰々ぎょうぎょうしく桟敷さじきを路に連ねるもの——まるで目の下の池のまわりは時ならない加茂かもの祭でも渡りそうな景色でございます。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)