“はれま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
晴間68.8%
霽間31.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
海は益々荒れていた。厚い層雲がひくく全天を蔽い、ただ水平線の近くだけが晴れていた。その晴間はれまは、薄紫を帯びて青く光り、冷くて透明な感じに見えた。
ツンドラへの旅 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
にわか雨をさけて、のきの下や大木たいぼくかげに、立ちよって晴間はれまを待つことを、昔の人たちはヤメルといっていた。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
すぐ近い坂の上だといふ事で、風呂敷包を提げた儘、黄昏時たそがれどきの雨の霽間はれまを源助の後にいて行つたが、何と挨拶したら可いものかと胸を痛めながら悄然すごすごと歩いてゐた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
頂上の岩にしがみ付いて霧の霽間はれまを待っていたが、更に薄れ行く模様もないので、風下の岩蔭に休んでいた案内者人夫を励まして、心あての方向を指して下りに向った。
大井川奥山の話 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)