“にたりぶね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
荷足船71.4%
荷足舟28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうして夜になると、五艘ばかりの荷足船にたりぶねで、水門からなにか邸内へ運び込むのです、夜の十時過ぎから、夜明け前三時ごろまで、休みなしに運び込んでいました」
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「へえい。なにしろ、高手小手にくくされたまま、おっぽり込まれたんで、危うくおぼれようとしたところを、うまいこと荷足船にたりぶねが通り合わせて、拾いあげてくれたんですよ」
それどころか、これこそ大犯罪のいとぐちと異常な興奮をさえ感じて、早速附近を漕いでいた荷足舟にたりぶねの船頭に命じ、その異様な生首舟を拾い上げさせた。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
五人の人数にんずを要する上に、一度かいを揃えて漕出せば、疲れたからとて一人勝手にめる訳には行かないので、横着おうちゃく我儘わがまま連中れんじゅうは、ずっと気楽で旧式な荷足舟にたりぶねの方を選んだ。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)