“どなべ”の漢字の書き方と例文
語句割合
土鍋100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
傾きやすき冬日の庭にねぐらを急ぐ小禽ことりの声を聞きつつ梔子の実をみ、寒夜孤燈の下にこごゆる手先をあぶりながら破れた土鍋どなべにこれを煮る時のいいがたき情趣は
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そして、奥畑が何か話しかけたそうにするのを避けて次の間へ行き、お春が煮かけていた重湯の土鍋どなべをおろして銀瓶ぎんびんを掛け、それが沸くのを待って茶を入れた。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
宮内くない竹童ちくどうのたべた土鍋どなべのからと、蛾次郎がじろうべたからを両手にもって、社家しゃけのほうへもどってしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)