“てさげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手提91.2%
手提袋2.9%
手提鞄2.9%
手携2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手提てさげはすぐ分った。が、この荒寺、思いのほか、陰寂な無人ぶじん僻地へきちで——頼もう——を我が耳で聞返したほどであったから。……
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼女は今大きな椅子の肱掛けに手をおいていたが、以前の彼女は入って来るなりもどかしそうに、その椅子へ手提袋てさげ暖手套てぶくろを投げだしたものであったのだ。
ふみたば (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
産婆が、手提鞄てさげをさげてやって来ると、叔母は四畳半の方へ自分で蒲団を延べて、診てもらった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
奇妙な黒い棺桶のような荷物をよく見れば、金色の厳重な錠前が処々しょしょに下りている上、耳が生えているように、丈夫な黒革製の手携てさげハンドルが一つならずも二つもついていた。
ヒルミ夫人の冷蔵鞄 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)