“つらにく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
面憎94.1%
面悪5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういう気ままな生活をもう一月もつづけているN君に対して、あわただしい旅にあるわたくしは何となき一種の面憎つらにくさを感ぜずにはいられなかった。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
賢造はとうとうにがい顔をして、ほうり出すようにこう云った。洋一も姉の剛情ごうじょうなのが、さすがに少し面憎つらにくくもなった。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
今はもうほとんど忘れてしまっていました。それだからこうして見ると、誰がしたのかその悪戯いたずら面悪つらにくくなるくらいのものでありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
若者は気軽にて平生へいぜ相撲すもうなどの好きなる男なれば、この見馴みなれぬ大男が立ちはだかりて上より見下すようなるを面悪つらにくく思い、思わず立ち上りてお前はどこから来たかと問うに、何の答えもせざれば
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)