“ちひさがた”の漢字の書き方と例文
語句割合
小県100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
田中の停車場ステーションへ着いた頃は日暮に近かつた。根津村へ行かうとするものは、こゝで下りて、一里あまり小県ちひさがたの傾斜を上らなければならない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
二月の二十九日、山道を心がけた貞盛に、信濃しなの小県ちひさがた国分寺こくぶじの辺で追ひついて戦つた。貞盛も思ひ設けぬでは無かつたから防ぎを射つた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
雲のごと市にむらがるいななきは北佐久の馬小県ちひさがたの馬
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
早くの川の上流へ——小県ちひさがたの谷へ——根津の村へ、斯う考へて、光の海を望むやうな可懐なつかしい故郷の空をさして急いだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
時として丑松は、自分の一生のことを考へる積りで、小県ちひさがたの傾斜を彷徨さまよつて見た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)