“たれごも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
垂菰50.0%
垂薦50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三四 白望の山続きに離森はなれもりというところあり。その小字こあざに長者屋敷というは、全く無人の境なり。ここに行きて炭を焼く者ありき。或る夜その小屋の垂菰たれごもをかかげて、内をうかがう者を見たり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この鉱山のために炭を焼きて生計とする者、これも笛の上手じょうずにて、ある日ひるあいだ小屋こやにおり、仰向あおむき寝転ねころびて笛を吹きてありしに、小屋の口なる垂菰たれごもをかかぐる者あり。驚きて見れば猿の経立ふったちなり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
生信房ひとりは、常に、寝る間もその師のそばを離れないのが彼の勤めであって、師のやすんでいる部屋の垂薦たれごものすぐ外に、ごろりと、薄いふすまをかぶって寝ている——
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よい月夜になったらしい。この垂薦たれごもを揚げてもらぬか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)