“たまのり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
玉乗71.4%
球乗28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕が二十になった頃から(すなわち明治三十年頃から)のことならどうやら記憶しているようだ。一番はずれの江川劇場は玉乗たまのりや手品の興行で人に知られていた。
浅草むかしばなし (新字新仮名) / 永井荷風(著)
……これで戻駕籠もどりかごでも思出すか、善玉のかいでも使えば殊勝だけれども、疼痛疼痛いててて、「お京何をする。」……はずんで、脊骨……へ飛上る。浅草の玉乗たまのりに夢中だったのだそうである。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真昼の大天幕の下、土人の男女の喧騒けんそうの中で、生温い風に吹かれながら、曲芸を見る。これが我々にとっての唯一の劇場だ。我々のプロスペロオは球乗たまのりの黒熊。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
手品じゃアありません、独楽こま廻しじゃ有りません。球乗たまのりでも、猿芝居でも、山雀やまがらの芸でもないの。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)