“せよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
施与87.5%
世代12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、またその近所の路傍に、十二三位のと九歳位との二人の女の児が、唄をうたつて路傍の人の施与せよを乞ふてゐるを目にした。その周囲には、人が黒山のやうに立つてゐる。
脱却の工夫 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
彼は自尊心から、他人の恵みにあずかることを拒んだ。独力できりぬけてゆこうと決心した。母が恥ずかしい施与せよを受けたり求めたりしてるのを見て、彼は幼いころから非常に心を痛めていた。
中島さんの言に拠るに、墓に刻んである幾勢の俗名は世代せよである。後に更めた名であらうか。又家乗が誤り伝へてゐるのであらうか。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
正宗院は幾勢が薙染後ちせんごの名である。ちなみに云ふ。幾勢の墓には俗名世代せよつてある。世代は恐くは黒田家の奥に仕へた時の呼名であつただらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
十二月十三日に蘭軒の姉幾勢きせ、黒田家の奥に仕へた時の名世代せよ薙染ちぜん後の称正宗院が八十一歳を以て丸山の家に歿した。前年庚戌十二月の寿筵は此おうなをしていたく疲れしめた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)