世代せよ)” の例文
中島さんの言に拠るに、墓に刻んである幾勢の俗名は世代せよである。後に更めた名であらうか。又家乗が誤り伝へてゐるのであらうか。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
正宗院は幾勢が薙染後ちせんごの名である。ちなみに云ふ。幾勢の墓には俗名世代せよつてある。世代は恐くは黒田家の奥に仕へた時の呼名であつただらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
十二月十三日に蘭軒の姉幾勢きせ、黒田家の奥に仕へた時の名世代せよ薙染ちぜん後の称正宗院が八十一歳を以て丸山の家に歿した。前年庚戌十二月の寿筵は此おうなをしていたく疲れしめた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)