“すだれご”の漢字の書き方と例文
語句割合
簾越100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
狭い町の中で、風通しのいやうに表の戸を開けひろげると、日に反射する熱い往来の土が簾越すだれごしに見える。勝手に近い処へ膳を据ゑて、そこで叔父さんは昼飯をやつた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
蕾を持った春蘭が、顔の前に生えていて、葉の隙から栞の姿が、簾越すだれごしの女のように見えていた。栞は、顔を上向け、また、何か想いにふけっているようであった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
盆栽ぼんさいならべた窓のそと往来わうらいには簾越すだれごしに下駄げたの音職人しよくにん鼻唄はなうた人の話声はなしごゑがにぎやかにきこえ出す。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)