“じょうさし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
状差50.0%
状挿50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は状差じょうさしへあなたの手紙を差したなり、依然として腕組をして考え込んでいました。うちに相応の財産があるものが、何を苦しんで、卒業するかしないのに、地位地位といって藻掻もがまわるのか。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
再び机の前に取って返したお延は、その上に乗せてある状差じょうさしの中から、津田あてで来た手紙を抜き取って、一々調べ出した。彼女はそんな所に、何にも怪しいものが落ちているはずがないとは思った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
柱の状挿じょうさしには、おもに東京から入って来る手紙や電報が、おびだたしくはさまれてあった。米屋町の旦那のような風をしたその主人を、お島は不思議そうに眺めていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
状挿じょうさしなどを調べてみても、何等いぶかしく思われる節もなかった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)