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しばがき
弟のミヅハワケの命(反正天皇)、河内の
多治比の
柴垣の宮においでになつて天下をお治めなさいました。
あるひはまた
細流に添ふ風流なる
柴垣のほとりに侍女を伴ひたる美人
佇立めば、
彼方なる
柴折戸より美しき少年の姿
立出で来れるが如き、いづれも
情緒纏綿として尽きざるものなり。
田畝を越すと、二間幅の石ころ道、
柴垣、
樫垣、
要垣、その絶え間絶え間にガラス障子、
冠木門、ガス燈と順序よく並んでいて、庭の松に霜よけの
繩のまだ取られずについているのも見える。