“ざんぎゃく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
残虐75.9%
惨虐24.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正気づいてから聞きただすと、大きな男が無理やりに娘をそこに連れて行って残虐ざんぎゃくを極めたはずかしめかたをしたのだとわかった。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
こう云う残虐ざんぎゃくを極めた悲劇は、何度となくその後繰返された。が、紅い庚申薔薇の花は息苦しい光と熱との中に、毎日美しく咲き狂っていた。——
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
侵略、残虐ざんぎゃく、殺人、圧制、強奪——地上の罪禍を悉く背負って、日本は世界一の悪者となり、この自覚において再生の道を求めるがいい。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
あさましい「この世」に、いかに侵略や搾取さくしゅ残虐ざんぎゃくや不正が行われても、天国と極楽ごくらくが「あの世」にあると信ずるのである。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
その人間の心で、虎としてのおのれ残虐ざんぎゃくおこないのあとを見、己の運命をふりかえる時が、最も情なく、恐しく、いきどおろしい。
山月記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
捜査課は総出で、現場へ急行した。なるほど橋の下に、惨虐ざんぎゃくの限りをつくして、バラバラの屍体したいが散らばっている。
一九五〇年の殺人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
誰か、この平和な春の陽の下から、程なく、人間を焼く惨虐ざんぎゃくな煙が立ち昇ると思う者があるだろうか。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夫人はそいつを引きずり倒して、鼻先の皮がむけるまで、床の上へ惨虐ざんぎゃくにこすり付けた。
ウォーソン夫人の黒猫 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
だから、実戦さながらの闘争や惨虐ざんぎゃくが一万五千人の観衆の前に、くりひろげられていく。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
事件が実に不愉快で、不気味で、惨虐ざんぎゃくで、八幡の籔知らずみたいに不可解なものであるけ、被害者にとっては何とも云えぬ程恐ろしい出来事であるのに反比例して、探偵的興味からは実に申分のない題材なのだ。
悪霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)