“さしげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
刺毛60.0%
挿毛40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蕁草いらくさ刺毛さしげいらわれるような遣瀬なさで、痒味つら味は何にたとえようもないほどであった。しばらくの間は袴の上から押抓おしつねってなだめていられたが、仲々もって左様なちょくなことではおさまらない。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「白き挿毛さしげに、赤き鉢巻ぞ。さる人の贈り物とは見たれ。繋がるるも道理じゃ」とアーサーはまたからからと笑う。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこは今も猶鏡の如く輝やいて面にあたるものは必ず写す。ウィリアムの顔も写る。ウィリアムの甲の挿毛さしげのふわふわと風になびく様も写る。日に向けたら日に燃えて日の影をも写そう。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
白きかぶと挿毛さしげのさとなびくあとに、残るは漠々ばくばくたるちりのみ。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)