“こくめん”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
黒面	66.7%
小苦面	33.3%

黒面

ということが、羅真人（らしんじん）の神眼には、ちゃんとわかっているのらしい。この黒面（こくめん）の殺人猿（さつじんえん）をあつかうこと、まるで子供を観（み）るにひとしかった。

新・水滸伝 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)

さてまた大王が配下には、鯀化（こんか）（羆（ひぐま））黒面（こくめん）（猪（しし））を初めとして、猛き獣們（ら）なきにあらねど。

こがね丸 (新字旧仮名) ／ 巌谷小波(著)

そして、それを追ッかけ追ッかけ続いて二丁斧を振りかざしながら躍り出して来た黒面（こくめん）の阿修羅（あしゅら）がある。——あッと、これには殷直閣（いんちょっかく）も仰天して急に、馬首を向けかえた。

新・水滸伝 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)

小苦面

小苦面（こくめん）に首を傾げて聞いてゐたが、松太郎の話が終ると、『何しろハア。今年ア作が良くねえだハンテな。奈何（どう）だべなア！　神樣さア喜捨（あげ）る錢金が有つたら石油（あぶら）でも買ふべえドラ。』

赤痢 (旧字旧仮名) ／ 石川啄木(著)