“けつべつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
訣別95.6%
袂別4.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小仏こぼとけ渓谷けいこくにおいて、日本左衛門とああいう訣別けつべつをした金吾が、そのごの一念をお粂の行方に傾倒していたのは想像に難くないことです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうかと思うと一方には、代がわりした『毎日新聞』の翌々日に載る沼南署名の訣別けつべつの辞のゲラずりを封入した自筆の手紙を友人に配っている。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
九時ごろから喫煙室でN君ハース氏らと袂別けつべつの心持ちでシャンペンの杯をあげた。……十時過ぎにストロンボリの火山島が見えた。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「身どもら、不運にして、先祖の地をまもるあたわず、すなわち、棄てて蝦夷地にはしる、されば、生命ある限り二度と再び立ち戻るを得ず、つつしんで永劫えいごう袂別けつべつをもうす」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)