“ぐんない”の漢字の書き方と例文
語句割合
郡内100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
郡内ぐんないの長脇差で、鮎川あゆかわ仁介にすけというものがある。この甲州では有名な博奕ばくちうちでな、その、身内どもが、先ごろ御岳みたけへ参った時に、見たという者の話だが……」
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、もう其処に床がってある。夜具も郡内ぐんないなにかだ。私が着物を脱ぐと、雪江さんがうしろからフワリと寝衣ねまきを着せて呉れる。今晩は寒いわねえとか雪江さんがいう。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
郡内ぐんないのふとんの上に掻巻かいまきをわきの下から羽織った、今起きかえったばかりの葉子が、はでな長襦袢ながじゅばん一つで東ヨーロッパの嬪宮ひんきゅうの人のように、片臂かたひじをついたまま横になっていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)