“くろもん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黒門87.5%
黒物12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
筋違すじかい見附より神田川を渡って御成道おなりみちを、上野広小路から黒門くろもんに入り文珠楼もんじゅろう前を右へ、凌雲院りょううんいん前通の松原を過ぎ、大師堂わきなる矢来門の通から龕前堂がんぜんどうに護送せられたのである。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
冬の朝、黒門くろもん市場への買出しにまわり道して古着屋の前を通り掛った種吉は、店先を掃除そうじしている蝶子の手が赤ぎれて血がにじんでいるのを見て、そのままはいって掛け合い、もどした。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
何の因縁によるのか、ここでも上手じょうて白物しろもん下手げて黒物くろもんとが対峙たいじする。対峙するというより、むしろ白物のみが存在するという方がいいかもしれぬ。黒物の方は振り向く者がない。
苗代川の黒物 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)