“きりばたけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
桐畑71.4%
桐畠28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鼎造の崖邸は真佐子の生れる前の年、崖の上の桐畑きりばたけならして建てたのだからやっと十五六年にしかならない。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
赤坂の桐畑きりばたけのそばに小坂丹下という旗本がありました。千五百石の知行取りで、その先代はお目附を勤めたとか聞いています。一口に旗本と云っても、身分にはなか/\高下があります。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ぜん申すごとく、ここへ引き越しの当時は、例の空地あきちに垣がないので、落雲館の君子は車屋の黒のごとく、のそのそと桐畠きりばたけ這入はいり込んできて、話をする、弁当を食う
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「春になったから、みんなもちっと陽気にしなくっちゃいけない。この頃のように黙ってばかりいちゃ、まるで幽霊屋敷のようで、くさくさするだけだあね。桐畠きりばたけでさえ立派なうちが建つ時節じゃないか」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)