“きっくつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
佶屈81.0%
佶倔9.5%
拮屈4.8%
詰屈4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すこぶる精微を極め、文辞また婉宕えんとうなり。大いに世の佶屈きっくつ難句なる者と科を異にし、読者をして覚えず快を称さしむ。君よわいわずかに二十四、五。
山の手に生れて山の手に育った私は、常にかの軽快瀟洒しょうしゃなる船と橋と河岸かしながめを専有する下町したまちを羨むの余り、この崖と坂との佶倔きっくつなる風景を以て、おおいに山の手の誇とするのである。
私がとくに意を用いたのは、原文の調子を、気分を、なるべく保存したいということであった。そのため、時には、荘重ではあっても拮屈きっくつのきらいがあるかも知れない。それは余儀ないことであった。
それから、この作品の翻訳は、ずいぶん古い以前になされたものであって、原文の調子を尊重しすぎて詰屈きっくつすぎるきらいがあるかもしれないが、改訂のひまがなかったことをお詫びしておきたい。
死刑囚最後の日解説 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)