“えんそと”の漢字の書き方と例文
語句割合
縁外100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その夜、何も知らぬ門野は、又しても私の寐息ねいきを窺いながら、雪洞をつけて、縁外えんそとの闇へと消えました。申すまでもなく人形とのおう瀬を急ぐのでございます。
人でなしの恋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そのうちに道傍みちばたに地蔵様のお堂がありましたからその縁外えんそとあがって、そこで一夜を明すことにしました。ところが真夜中頃でした。寐入ねいっている二郎次の肩を揺すぶって
三人兄弟 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
急心せきごころに草をじた欣七郎は、歓喜天の御堂より先に、たとえば孤屋ひとつや縁外えんそとの欠けた手水鉢ちょうずばちに、ぐったりとあごをつけて、朽木の台にひざまずいて縋った、青ざめた幽霊を見た。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)