“うっき”の漢字の書き方と例文
語句割合
鬱気100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近くの百姓の子や侍長屋の子らも交じって、まッ裸な童の群れが、れな渓流に、水を見つけて、ぴちぴち遊び跳ねているのをのぞくと、彼の鬱気うっきも、いっぺんに飛んでいた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「や。どなたかと存じたら……曲直瀬まなせ殿か。なんの光秀とて、徒然つれづれの日もおざる。数日来、坂本の城に滞在中とて、山でも少しわたりあるいたら、梅雨つゆじめりの鬱気うっきも少し散じようかと思うて」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なんでもいいから、汗と鬱気うっきを出してしまうんだ。……そうだ」と、後ろを仰いだ。里の者が粘土ねんどでも採った跡であろう、崖の中腹から上へ真っすぐに二丈ばかり山肌がぎ取られてあった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)