“いちみじん”の漢字の書き方と例文
語句割合
一微塵100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
満腹の饒舌にょうぜつろうして、あくまでこの調子を破ろうとする親方は、早く一微塵いちみじんとなって、怡々いいたる春光しゅんこううちに浮遊している。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一年中最も楽しい秋の盛岡——大穹窿だいきゆうりゆうが無辺際に澄み切つて、空中には一微塵いちみじんの影もなく、田舎口から入つて来る炭売薪売まきうりの馬の、冴えた/\鈴の音が、まち中央まんなかまで明瞭はつきり響く程透徹であることや
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
しかし彼の長い蒼白あおじろ相貌そうぼう一微塵いちみじんだも動いておらんから、彼の心のうちは無論わからない。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)