“いかえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
射返80.0%
射反20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高い日があおい所を目の届くかぎり照らした。余はその射返いかえしの大地にあまねき内にしんとしてひとぬくもった。そうして眼の前に群がる無数の赤蜻蛉あかとんぼを見た。そうして日記に書いた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ことに汽車が海岸近くを走るときは、松の緑と海のあいとで、煙に疲れた眼にさわやかな青色を射返いかえした。木蔭こかげから出たり隠れたりする屋根瓦の積み方も東京地方のものには珍らしかった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小広いテーブルに重ねられた清潔な卓布は、シャンデリヤを射反いかえして、人を眠くする雪明りのような刺戟しげきを眼に与える。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)