“いえさだ”の漢字の書き方と例文
語句割合
家定100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、岩瀬肥後にとっては、彼が一生のつまずきになるほどの一大珍事が出来しゅったいした。十三代将軍(徳川家定いえさだ)は生来多病で、物言うことも滞りがちなくらいであった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「これは、寧子、おや屋の里方の叔父にあたる者。つまり当家の又右衛門どのの家内こひ女の兄、木下孫兵衛家定いえさだでござる。初めての御見ぎょけん、この後はわけても御昵懇ごじっこんに」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幕府は五月九日を以て、万石以下の士に甲冑かっちゅうの準備を令した。動員のそなえのない軍隊の腑甲斐ふがいなさがうかがわれる。新将軍家定いえさだもとにあって、この難局に当ったのは、柏軒、枳園らの主侯阿部正弘である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)