“あとべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
跡部85.7%
足辺14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さくきわで、勝頼父子は、まっ先に敵兵の目がけるところとなって取り囲まれている。その側へ、加勢に走ろうとすると、味方の跡部あとべ尾張守が、反対な方へ逃げ腰で駈けてゆく。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春琴の家は代々鵙屋安左衛門やすざえもんを称し、大阪道修町に住して薬種商を営む。春琴の父に至りて七代目なり。母しげ女は京都麩屋町ふやちょう跡部あとべ氏の出にして安左衛門にし二男四女を挙ぐ。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
死者の枕辺まくらべ足辺あとべを這いもとおって慟哭どうこくすべきほどに、またその慟哭の声が天上にまでも響き行くべきほどに、悲しいものであった。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)