“あいのりぐるま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
相乗俥50.0%
合乗俥50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょうど通りかかった相乗俥あいのりぐるまがありましたからそれに乗って幌をすっかり下して、その中から二階のボーイさんを呼び出してもらって
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ですから私は雨の脚を俥の幌にはじきながら、燈火の多い広小路ひろこうじの往来を飛ぶように走って行く間も、あの相乗俥あいのりぐるまの中に乗っていた、もう一人の人物を想像して
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
女権論者の噂に気を腐らした私が、やがて二人と一しょに席を立って、生稲いくいねの玄関から帰りの俥へ乗ろうとしていると、急に一台の相乗俥あいのりぐるまほろを雨に光らせながら、勢いよくそこへきこみました。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その頃はマダ合乗俥あいのりぐるまというものがあったが、沼南は夫人と共に一つ俥に同乗して葬列に加わっていた。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
遊女おいらんに嫌われる、と昨宵ゆうべ行きがけに合乗俥あいのりぐるまの上で弦光がからかったのを、酔った勢い、ほろの中で肌脱ぎに引きかなぐり、松源の池が横町にあるあたりで威勢よく、ただし、竜どころか
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)