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叱
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し
ふりがな文庫
“
叱
(
し
)” の例文
「
叱
(
し
)
っ……。野暮、そんな大きい声をするもんじゃありません。私が、おまえをどんな気持で眼にかけているか、よくご存じだろう」
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あゝ
何
(
なに
)
も
御存
(
ごぞん
)
じなしに
彼
(
あ
)
のやうに
喜
(
よろこ
)
んでお
出遊
(
いであそ
)
ばす
物
(
もの
)
を、
何
(
ど
)
の
顏
(
かほ
)
さげて
離縁状
(
りゑんじよう
)
もらふて
下
(
くだ
)
されと
言
(
い
)
はれた
物
(
もの
)
か、
叱
(
し
)
かられるは
必定
(
ひつぢよう
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『そんなものは
無
(
な
)
くッてよ!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
頗
(
すこぶ
)
る
腹立
(
はらだた
)
しげに
云
(
い
)
ひました、
帽子屋
(
ばうしや
)
と三
月兎
(
ぐわつうさぎ
)
とは、『
叱
(
し
)
ッ!
叱
(
し
)
ッ!』と
續
(
つゞ
)
けさまに
叫
(
さけ
)
びました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
(馬をひかんとすれど動かず。)えゝ、なにが氣に入らいで
拗
(
すね
)
るのぢや。さあ、行け。ゆけ。
叱
(
し
)
つ、叱つ。
佐々木高綱
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三蔵
叱
(
し
)
ッ、裏の方で足音がした。(手許に引きつけてある長脇差を提げ、そっと裏口をのぞきに行く)
沓掛時次郎 三幕十場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
▼ もっと見る
彼らはまず習慣的に「
叱
(
し
)
っ、
叱
(
し
)
っ」と口を鳴らし、はては「ばか野郎ッ」とどなって警告した。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
『
叱
(
し
)
ツ。』と秋野が制した。
潜笑
(
しのびわら
)
ひの聲は漣の樣に傳はつた。そして新しい
密語
(
ひそめき
)
が其に交つた。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
といいかかれる時、犬二三頭高く
吠
(
ほ
)
えて、謙三郎を囲めるならんか、
叱
(
し
)
ッ叱ッと追うが聞えつ。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
叱
(
し
)
ッ。——」と女は目顔で叱って、「……誰かに悟られると、大変なことになってよ」
鍵から抜け出した女
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
叱
(
し
)
ツ! 叱ツ! イダーリアのドングリ眼が真に憾めしさうに光つたぞ!」
山彦の街
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
子規子の標準も年とともに進歩したのであろうに前年の選歌をそのまま
輯
(
あつめ
)
て本にされては、かえって子規子も迷惑じゃあるまいか、とか、そんなことをしては子規子に
叱
(
し
)
かられはせまいか
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「京大のA博士だよ。
叱
(
し
)
っ、しずかに。」とまた誰やらが慌ててすっ込んだ。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「
叱
(
し
)
ッ、
静
(
しず
)
かにおしなね。あン
中
(
なか
)
にゃ、
浜村屋
(
はまむらや
)
の
太夫
(
たゆう
)
さんが
乗
(
の
)
ってるんだよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
叱
(
し
)
っ、何も仔細はない、頭へ届けさえすれば仔細はない事だが、段々物入りが続いて居る上に又物入りでは実に迷惑を致す、
殊
(
こと
)
には一時面倒と云うのは、もう追々月迫致して
居
(
お
)
ると云う訳で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
叱
(
し
)
ッ!……この船はね、表面は、カナダから日本の北千島へ、
紅鮭
(
べにざけ
)
を買いにいく冷凍船とみせかけているが、じつは、千島の無人島で、ラッコやオットセイを密猟する、国際的どろぼう船なのさ」
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
「
叱
(
し
)
つ。看護婦さんが戻つて來やはつた。笑ふたらあかんし。」
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「
叱
(
し
)
ッ、手先が混ってやあがる」
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「ほらまた!
叱
(
し
)
っ!
叱
(
し
)
っ!」
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「
叱
(
し
)
ッ、黙って
跟
(
つ
)
いて来給え」
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
叱
(
し
)
ッ、
叱
(
し
)
ッ、こん畜生」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
叱
(
し
)
、
叱
(
し
)
……畜生」
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「
叱
(
し
)
っ!」
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「
叱
(
し
)
ッ」
踊る美人像
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ああ何も御存じなしにあのやうに喜んでお
出
(
いで
)
遊ばす物を、どの顔さげて離縁状もらふて下されと言はれた物か、
叱
(
し
)
かられるは必定
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
好きに舌を動かして
喋舌
(
しゃべ
)
っていると、ひとりが、
叱
(
し
)
ッ——と眼くばせする。他の者もあわてて番所の小屋へはいる。また、歩哨に立つ。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
木
(
き
)
の
下
(
した
)
に
徉徜
(
さまよ
)
つてると
何處
(
どこ
)
ともなく
叱
(
し
)
ッと
云
(
い
)
ふ
聲
(
こゑ
)
がしたので、
思
(
おも
)
はず
愛
(
あい
)
ちやんは
後退
(
あとじさ
)
りしました、ト一
羽
(
は
)
の
大
(
おほ
)
きな
鳩
(
はと
)
が
顏
(
かほ
)
に
飛
(
と
)
びついて、
翼
(
つばさ
)
を
以
(
もつ
)
て
激
(
はげ
)
しく
愛
(
あい
)
ちやんを
搏
(
う
)
ちました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
おつや
叱
(
し
)
っ、
叱
(
し
)
っ。(制して。)なにしろ気味が悪いから、早く追い出して頂戴よ。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
叱
(
し
)
ッ。大きな声はいけません。……よろしいか、この事は大秘密ですぞ」
奇賊は支払う:烏啼天駆シリーズ・1
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
他所
(
よそ
)
のおぢさんの
鳥
(
とり
)
さしが
来
(
き
)
て、
私
(
わたし
)
ン
処
(
とこ
)
の
橋
(
はし
)
の
詰
(
つめ
)
で、
榎
(
えのき
)
の
下
(
した
)
で
立留
(
たちど
)
まつて、六本めの
枝
(
えだ
)
のさきに
可愛
(
かあい
)
い
頬白
(
ほゝじろ
)
が
居
(
ゐ
)
たのを、
棹
(
さを
)
でもつてねらつたから、あら/\ツてさういつたら、
叱
(
し
)
ツ、
黙
(
だま
)
つて
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
叱
(
し
)
っ、
静
(
しず
)
かにしねえ。
怪
(
あや
)
しいものじゃねえよ。おいらだよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「
叱
(
し
)
ッ……誰か来る、——」
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
叱
(
し
)
ッ——まだまだ」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『
叱
(
し
)
ツ。』
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
叱
(
し
)
っ。」
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「
叱
(
し
)
っ」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
いや阿関こう言ふと父が無慈悲で
汲取
(
くみと
)
つてくれぬのと思ふか知らぬが決して御前を
叱
(
し
)
かるではない、身分が釣合はねば思ふ事も自然違ふて
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
当然、
宿直
(
とのい
)
たちの影がすぐ「……あ、どちらへ?」と、あとを慕って来そうにした。信濃は彼らの怪しみ顔を、
叱
(
し
)
ッと
抑
(
おさ
)
えて
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
叱
(
し
)
ッ。ボーイが、こっちを向いている。いやよろしい、窓の方を向いた。……いや、醤どの、うまくいったよ。あの無類の
毒酒
(
どくしゅ
)
を、まんまと三杯も
乾
(
ほ
)
してしまったよ。
致死量
(
ちしりょう
)
の十二倍はある。
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
余所
(
よそ
)
のおじさんの鳥さしが来て、私ン
処
(
とこ
)
の橋の
詰
(
つめ
)
で、榎の下で立留まって、六本めの枝のさきに可愛い
頬白
(
ほおじろ
)
が居たのを、
棹
(
さお
)
でもってねらったから、あらあらッてそういったら、
叱
(
し
)
ッ、黙って、黙って。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
叱
(
し
)
ッ!
叱
(
し
)
ッ!』
小
(
ちひ
)
さな
聲
(
こゑ
)
で
忙
(
いそが
)
しさうに
兎
(
うさぎ
)
が
云
(
い
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
叱
(
し
)
っ。
余計
(
よけい
)
なこたァいっちゃならねえ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「畜生。
叱
(
し
)
っ、叱っ。」
影を踏まれた女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
叱
(
し
)
ッ、黙って——」
天狗岩の殺人魔
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
叱
(
し
)
ッ、静かに」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
叱
(
し
)
ッ。」
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「
叱
(
し
)
っ」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
いや
阿關
(
おせき
)
こう
言
(
い
)
ふと
父
(
ちゝ
)
が
無慈悲
(
むじひ
)
で
汲取
(
くみと
)
つて
呉
(
く
)
れぬのと
思
(
おも
)
ふか
知
(
し
)
らぬが
決
(
けつ
)
して
御前
(
おまへ
)
を
叱
(
し
)
かるではない、
身分
(
みぶん
)
が
釣合
(
つりあ
)
はねば
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
も
自然
(
しぜん
)
違
(
ちが
)
ふて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
叱
(
し
)
ッ……」と、目で叱ると、黒い頭巾の侍は、その上から一枚の
蓆
(
むしろ
)
を
被
(
かぶ
)
って、ぺたりと舟板に身をつけて寝てしまいました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
叱
(
し
)
ッ——」わしは、
睨
(
にら
)
みつけた。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
畜生
(
ちくしよう
)
。
叱
(
し
)
つ、叱つ。」
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
叱
部首:⼝
5画
“叱”を含む語句
叱責
叱咤
叱咜
御叱
叱言
叱々
昌叱
叱陀
叱付
口叱言
叱正
叱呼
叱声
大叱言
叱鳴
大叱咤
御叱責
頞嘶叱
怒叱
御叱咤
...