“餘寒”の読み方と例文
新字:余寒
読み方割合
よかん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私(わたし)の小家(こいへ)は餘寒(よかん)未(いま)だ相去(あひさ)り申(まを)さずだつたが——お宅(たく)は來客(らいきやく)がくびすを接(せつ)しておびたゞしい。玄關(げんくわん)で、私(わたし)たち友達(ともだち)が留守(るす)を使(つか)ふばかりにも氣(き)が散(ち)るからと、お氣(き)にいりの煎茶茶碗(せんちやぢやわん)一(ひと)つ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
見る者なかりしと爰(こゝ)に浪人體(らうにんてい)の侍(さむらひ)の身には粗服(そふく)を纏(まと)ひ二月の餘寒(よかん)烈(はげし)きに羊羹色(やうかんいろ)の絽(ろ)の羽織を着て麻の袴(はかま)を穿(はき)柄(つか)の解(はづ)れし大小を帶(たい)せし者常樂院(じやうらくゐん)の表門へ進み入(いら)んとせしが寺内の嚴重(げんぢう)なる形勢(ありさま)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
能々(よく/\)運(うん)に叶(かな)ひし事かな然(され)ど二日二夜海上に漂(たゞよ)ひし事なれば身心(しんしん)勞(つか)れ流石(さすが)の吉兵衞岩の上に倒(たふ)れ伏(ふし)歎息(たんそく)の外は無りしが衣類(いるゐ)は殘らず潮(しほ)に濡(ぬれ)惣身(そうしん)よりは雫(しづく)滴(したゝ)り未だ初春(しよしゆん)の事なれば餘寒(よかん)は五體に染渡(しみわた)り針(はり)にて刺(さゝ)れる如くなるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)