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芥溜
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ごみため
ふりがな文庫
“
芥溜
(
ごみため
)” の例文
打ち
遣
(
や
)
った過去は、夢の
塵
(
ちり
)
をむくむくと
掻
(
か
)
き分けて、古ぼけた頭を歴史の
芥溜
(
ごみため
)
から出す。おやと思う
間
(
ま
)
に、ぬっくと立って歩いて来る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、
頭
(
あたま
)
だけ
膳
(
ぜん
)
の
隅
(
すみ
)
へはさみ
出
(
だ
)
すと、
味噌
(
みそ
)
かすに
青膨
(
あをぶく
)
れで、ぶよ/\とかさなつて、
芥溜
(
ごみため
)
の
首塚
(
くびづか
)
を
見
(
み
)
るやう、
目
(
め
)
も
當
(
あ
)
てられぬ。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「皆さん、商売の方も不景気ですよ。
芥溜
(
ごみため
)
だってお話になりません。物を捨てる人なんかもうひとりもいません。何でも食べてしまうんですね。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そこで米友が思うには、これを
打捨
(
うっちゃ
)
るにしても不動尊である、有難がっても有難がらなくっても、不動明王のお
像
(
すがた
)
である。
芥溜
(
ごみため
)
の中へ打捨るわけにはゆかない。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
当然残肴が出たわけだが、今朝ひょいと
芥溜
(
ごみため
)
をのぞくと、
堀川牛蒡
(
ほりかわごぼう
)
その他がそっくりそのまま捨ててある。せっかく苦心して、うまくこしらえた高級野菜である。
残肴の処理
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
▼ もっと見る
もうこの上に詮議の仕様もないので、八太郎はその西瓜を細かく切り刻んで、裏手の
芥溜
(
ごみため
)
に捨てさせた。
西瓜
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
竹で死体を
扱
(
こ
)
いたら、ペロリと血だらけの模型卵を
吐
(
は
)
いた。此頃一向卵が出来ぬと思ったら、此先生が毎日
召上
(
めしあが
)
ってお出でたのだ。青大将の
死骸
(
しがい
)
は
芥溜
(
ごみため
)
に捨てた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「ああそうだろう、源左は馬鹿で間が抜けてるからな、いつも
芥溜
(
ごみため
)
ばかり
引掻
(
ひっか
)
き廻して、痛ッ」
長屋天一坊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
南と北から家屋が建てこめているため、常に日光に遮られている薄暗い道路の行当りに、
芥溜
(
ごみため
)
が見える、そこにミノルカではないが大きな黒い一羽の鶏が餌をあさっている。
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
「乞食よりも意気地がなくて、
盗
(
ぬす
)
っ
人
(
と
)
よりも
太
(
ふて
)
え
芥溜
(
ごみため
)
牢人と思っているが、それがどうした」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大体土瓶の運命は
果
(
はか
)
ないもので、口が
毀
(
こわ
)
れ、
蓋
(
ふた
)
が
破
(
わ
)
れ、耳がもぎれ、それに火という敵と闘わねばなりません。その末路を
芥溜
(
ごみため
)
や
溝泥
(
どぶどろ
)
の中に見かけることは珍らしくありません。
益子の絵土瓶
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
之れに據ると多數人民と云ふものは
芥溜
(
ごみため
)
の肥料のやうなものである、其中に少數の役に立つものが、丁度美麗な草木が出て來て花が咲くやうに、出て來ると云ふ樣な想像を有つて居る。
仮名遣意見
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
キミ子の肉体すらもすでに
他所々々
(
よそよそ
)
しかつたが、太平は
芥溜
(
ごみため
)
をあさる犬のやうに掻きわけて美食をあさり、他所々々しさも鬼の目も顧慮しなかつた。陰鬱な狂つた情慾があるだけだつた。
外套と青空
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
わが眠りし間に幸助いずれにか逃げ
亡
(
う
)
せたり、来たれ来たれ来たれともに捜せよ、見よ幸助は
芥溜
(
ごみため
)
のなかより大根の
切片
(
きれ
)
掘りだすぞと大声あげて泣けば、
後
(
うし
)
ろより我子よというは母なり。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
突當りの
芥溜
(
ごみため
)
わきに九尺二間の上り
框
(
かまち
)
朽ちて、雨戸はいつも不用心のたてつけ、流石に一方口にはあらで山の手の仕合は三尺斗の椽の先に草ぼう/\の空地面それが端を少し圍つて
青紫蘇
(
あをじそ
)
、ゑぞ菊
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御飯をたべなければ、お
腹
(
なか
)
がすきますし、お腹がすいたからって、
芥溜
(
ごみため
)
をあさるようなことはしちゃあいけません。わたしたちの仲、濁ってるとお思いになりますか。いいえ、濁ってなんかいません。
南さんの恋人:――「小悪魔の記録」――
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「へッ。
芥溜
(
ごみため
)
野郎。」
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その
筈
(
はず
)
で、愛の奴だって、まさか焼跡の
芥溜
(
ごみため
)
から
湧
(
わ
)
いて出た
蚰蜒
(
げじげじ
)
じゃありません。十月腹を貸した母親がありましてね。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「革命家を悪口しちゃいけねえぜ、
芥溜
(
ごみため
)
婆さん、このピストルもお前のためのものだ。前の負い
籠
(
かご
)
にもっと食えるようなものを入れてやるためだ。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
突当りの
芥溜
(
ごみため
)
わきに
九
(
く
)
尺二
間
(
けん
)
の
上
(
あが
)
り
框
(
がまち
)
朽ちて、雨戸はいつも不用心のたてつけ、さすがに
一方口
(
いつぱうぐち
)
にはあらで山の手の
仕合
(
しやわせ
)
は三尺ばかりの椽の先に草ぼうぼうの空地面、それが
端
(
はじ
)
を少し囲つて
青紫蘇
(
あをぢそ
)
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この屋根の上に
蘆
(
あし
)
が生えて、台所の
煙出
(
けむだ
)
しが、水面へあらわれると、
芥溜
(
ごみため
)
のごみが
淀
(
よど
)
んで、泡立つ中へ、この黒髪が
倒
(
さかさ
)
に、
髻
(
たぶさ
)
から
搦
(
から
)
まっていようも知れぬ。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
突當
(
つきあた
)
りの
芥溜
(
ごみため
)
わきに九
尺
(
しやく
)
二
間
(
けん
)
の
上
(
あが
)
り
框
(
がまち
)
朽
(
く
)
ちて、
雨戸
(
あまど
)
はいつも
不用心
(
ぶようじん
)
のたてつけ、
流石
(
さすが
)
に一
方
(
ぱう
)
口
(
ぐち
)
にはあらで
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
の
仕合
(
しやわせ
)
は三
尺
(
じやく
)
斗
(
ばかり
)
の
椽
(
ゑん
)
の
先
(
さき
)
に
草
(
くさ
)
ぼう/\の
空地面
(
あきぢめん
)
、それが
端
(
はじ
)
を
少
(
すこ
)
し
圍
(
かこ
)
つて
青紫蘇
(
あをぢそ
)
、ゑぞ
菊
(
ぎく
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三ツ四ツ
年紀
(
とし
)
もたけ、
﨟
(
ろう
)
たさも、なお
増
(
まさ
)
りながら、やや人に
馴
(
な
)
れ、世に馴れて、その
芥溜
(
ごみため
)
といえりし間、浮世のなみに浮沈みの、さすらいの消息の、ほぼ伝えらるるものがあったのである。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
芥溜
(
ごみため
)
を探したか、皿から
浚
(
さら
)
ったか、笹ッ葉一束、棒切の
尖
(
さき
)
へ独楽なわで
引括
(
ひっくく
)
った間に合せの小道具を、さあ来い、と云う身で構えて、駆寄ると、若い妓の島田の上へ突着けた、ばさばさばッさり。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
芥
漢検準1級
部首:⾋
7画
溜
漢検準1級
部首:⽔
13画
“芥”で始まる語句
芥
芥子
芥子粒
芥川
芥箱
芥子坊主
芥川龍之介
芥川竜之介
芥火
芥種