きやく)” の例文
だん伸の三きやくの上にてゝ黒布くろぬのをかぶりながら焦點せうてんあはせる時のわたし滿まん足とうれしさ、とまたほこらしさとはいひやうもなかつた。
……ぱつしゆそこみなぎると、ぎんおほふて、三きやくなゝつにわかれて、あをく、たちまち、薄紫うすむらさきに、あゐげてかるあふつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
法廷ほふてい眞中まんなかには一きやく洋卓テーブルがあつた、其上そのうへには栗饅頭くりまんぢうおほきなさらつてゐました、るからに美味うまさうなので
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
宗助そうすけ一番いちばんおくはうにある一きやく案内あんないされて、これへとはれるので、踏段ふみだんやうなもののうへつて、椅子いすこしおろした。書生しよせいあつ縞入しまいり前掛まへかけ丁寧ていねいひざからしたくるんでれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うめいて、紫色むらさきいろ雑木林ざふきばやしこずゑが、湿味うるみつたあをそらにスク/\けてえ、やなぎがまだあら初東風はつこちなやまされて時分じぶんは、むやみと三きやく持出もちだして、郊外かうぐわい景色けしきあさつてあるくのであるが
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
組込くみこみの三きやくすゞくわんに、結晶けつしやうした酒精アルコールまつたのがつて、これ普通ふつう汽車中きしやちうかすうつわである。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二人の意識いしきの中にはたつた三しかない古びた貸家かしやである自分のいへが、ほんとにねこひたひほどのにはが、やつとのおもひで古道具屋だうぐやからつて※たただ一きやくのトイスが、いや
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
其家そのいへまへなる一ぽんしたには洋卓テーブルが一きやくいてあつて、三月兎ぐわつうさぎ帽子屋ばうしやとが其處そこちやんでると、一ぴき福鼠ふくねずみ其間そのあひだすわつてましたが、やがねむつてしまつたので
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
一杯いつぱい日當ひあたりで、いきなりつちうへ白木しらき卓子テエブルを一きやくゑた、そのうへには大土瓶おほどびんが一茶呑茶碗ちやのみぢやわん七個なゝつ八個やつ
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
突然とつぜんあいちやんは、全然すつかり丈夫じやうぶ硝子ガラス出來できちひさな三きやく洋卓テーブルところました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)