“日脚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひあし97.3%
ひざし2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
初秋(はつあき)の日脚(ひあし)は、うそ寒く、遠い国の方へ傾(かたむ)いて、淋(さび)しい山里の空気が、心細い夕暮れを促(うな)がすなかに、かあんかあんと鉄を打つ音がする。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
春の日脚(ひあし)の西に傾(かたぶ)きて、遠くは日光、足尾(あしお)、越後境(えちござかい)の山々、近くは、小野子(おのこ)、子持(こもち)、赤城(あかぎ)の峰々、入り日を浴びて花やかに夕ばえすれば
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
木振賤(きぶりいやし)からぬ二鉢(ふたはち)の梅の影を帯びて南縁の障子に上(のぼ)り尽せる日脚(ひざし)は、袋棚(ふくろだな)に据ゑたる福寿草(ふくじゆそう)の五六輪咲揃(さきそろ)へる葩(はなびら)に輝きつつ、更に唯継の身よりは光も出づらんやうに
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お峯は苦笑(にがわらひ)しつ。明(あきらか)なる障子の日脚(ひざし)はその面(おもて)の小皺(こじわ)の読まれぬは無きまでに照しぬ。髪は薄けれど、櫛(くし)の歯通りて、一髪(いつぱつ)を乱さず円髷(まるわげ)に結ひて顔の色は赤き方(かた)なれど、いと好く磨(みが)きて清(きよら)に滑(なめらか)なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)