客間きやくま)” の例文
あにいへの門を這入ると、客間きやくまでピアノのおとがした。代助は一寸ちよつと砂利のうへに立ちどまつたが、すぐ左へ切れて勝手ぐちの方へ廻つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
客來きやくらいにやあらんをりわろかりとかへせしが、さりとも此處こゝまでしものをこのままかへるも無益むやくしゝと、にはよりぐりてゑんあがれば、客間きやくまめきたるところはなごゑ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
最早もうしめたものと、今度は客間きやくまに石をかず、居間ゐまとこ安置あんちして何人にもかくして、只だひとたのしんで居た。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しかもこの博物館はくぶつかん見物人けんぶつにんおどろかすものは、そのギリシヤ、ローマの部屋へや一部いちぶにイタリイのポムペイで發掘はつくつされたむかしいへ客間きやくまそのまゝを模造もぞうしてあることです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
てらでも主簿しゆぼ御參詣ごさんけいだとふので、おろそかにはしない。道翹だうげうそう出迎でむかへて、りよ客間きやくま案内あんないした。さて茶菓ちやくわ饗應きやうおうむと、りようた。「當寺たうじ豐干ぶかんそうがをられましたか。」
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
老叟らうそうわらつて客間きやくまにちやんとえてあるではないかといふので、それでは客間きやくま御覽ごらんなさいけつして有りはしないからと案内あんないして内にはひつて見ると、こは如何いか
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それから約四十分程して、老人は着物きもの着換きかえて、はかま穿いて、くるまつて、何処どこかへつた。代助も玄関迄送つて出たが、又引き返して客間きやくまの戸を開けてなか這入はいつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
老叟はわらつて『左樣さうはるゝならそれでもよし、イザおいとまましよう、おほきにお邪魔じやま御座ござつた』と客間きやくまを出たので雲飛うんぴよろこもんまでおくり出て、内にかへつて見るといしが無い。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
代助ははあと答へて、ちゝへや退しりぞいた。座敷へあにさがしたが見えなかつた。あによめはと尋ねたら、客間きやくまだと下女が教へたので、つて戸をけて見ると、縫子のピヤノの先生がてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其時そのとき目出度めでたいからとふので、客間きやくまとこにはかならとら双幅さうふくけた。これ岸駒がんくぢやない岸岱がんたいだとちゝ宗助そうすけつてかせたことがあるのを、宗助そうすけはいまだに記憶きおくしてゐた。このとらにはすみいてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)