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嘲笑
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てうせう
ふりがな文庫
“
嘲笑
(
てうせう
)” の例文
と
思
(
おも
)
ふか
思
(
おも
)
はない
内
(
うち
)
に、
妻
(
つま
)
は
竹
(
たけ
)
の
落葉
(
おちば
)
の
上
(
うへ
)
へ、
唯
(
ただ
)
、
一蹴
(
ひとけ
)
りに
蹴倒
(
けたふ
)
された、(
再
(
ふたたび
)
、
迸
(
ほとばし
)
る
如
(
ごと
)
き
嘲笑
(
てうせう
)
)
盜人
(
ぬすびと
)
は
靜
(
しづ
)
かに
兩腕
(
りやううで
)
を
組
(
く
)
むと、おれの
姿
(
すがた
)
へ
眼
(
め
)
をやつた。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勘次
(
かんじ
)
の
削
(
けづ
)
つたやうな
痩
(
や
)
せた
顏
(
かほ
)
が
何時
(
いつ
)
でも
僻
(
ひが
)
んでさうして
怒
(
おこ
)
り
易
(
やす
)
いのを
彼等
(
かれら
)
は
嘲笑
(
てうせう
)
の
眼
(
まなこ
)
を
以
(
もつ
)
て
遠
(
とほ
)
くから
覗
(
のぞ
)
くのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
悶えて悶えて悶えてゐる心を、うはべの
賑
(
にぎや
)
かさに
紛
(
まぎら
)
はしてゐる
寂
(
さび
)
しさを、人々はただ
嘲笑
(
てうせう
)
の眼をもつて見ました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
かうして次から次へと渡り歩く美人を、貧乏で皮肉でおせつ介な江戸ツ子達は、小便組と呼んで、
嘲笑
(
てうせう
)
と輕蔑と、そしてほんの少しばかり好意をさへ寄せてゐたのです。
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
世間の人々の
嘲笑
(
てうせう
)
を
慮
(
おもんぱか
)
つて、小さくなつて、自分の失恋を恥ぢ隠さうとしてゐたのが、世間の同情が、全く予期に反して、
翕然
(
きふぜん
)
として、自分の一身に集つて来るらしいのを見て取ると
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
▼ もっと見る
所
(
ところ
)
が、それから十
年
(
ねん
)
立
(
た
)
つて
日露戰爭
(
にちろせんさう
)
が
起
(
おこ
)
つた
時
(
とき
)
、
私
(
わたし
)
は
既
(
すで
)
に
非戰論者
(
ひせんろんしや
)
として×
國心
(
こくしん
)
を
嘲笑
(
てうせう
)
してゐた。
私
(
わたし
)
は
日本國民
(
にほんこくみん
)
として、
日本國土
(
にほんこくど
)
の
極小
(
ごくせう
)
の一
部分
(
ぶぶん
)
すらも
分
(
わか
)
ち
與
(
あた
)
へられて
居
(
ゐ
)
ない
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つてゐた。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
で
同人
(
どうにん
)
が
嘆息
(
たんそく
)
した。——
今
(
いま
)
でも
金魚麩
(
きんぎよぶ
)
の
方
(
はう
)
は
辟易
(
へきえき
)
する……が、
地震
(
ぢしん
)
の
四日
(
よつか
)
五日
(
いつか
)
めぐらゐ
迄
(
まで
)
は、
此
(
こ
)
の
金魚麩
(
きんぎよぶ
)
さへ
乾物屋
(
かんぶつや
)
で
賣切
(
うりき
)
れた。また「
泉
(
いづみ
)
の
干瓢鍋
(
かんぺうなべ
)
か。
車麩
(
くるまぶ
)
か。」と
言
(
い
)
つて
友
(
とも
)
だちは
嘲笑
(
てうせう
)
する。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どこか
一同
(
みんな
)
と共通した不平と
嘲笑
(
てうせう
)
の影がひそんでゐた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
笑
(
わらひ
)
は量的に分てば
微笑
(
びせう
)
哄笑
(
こうせう
)
の二種あり。質的に分てば
嬉笑
(
きせう
)
嘲笑
(
てうせう
)
苦笑
(
くせう
)
の三種あり。……予が最も愛する笑は嬉笑嘲苦笑と兼ねたる、爆声の如き哄笑なり。
LOS CAPRICHOS
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
外聞
(
げえぶん
)
惡
(
わり
)
いも
何
(
なん
)
にも
知
(
し
)
んねえんだな」
嘲笑
(
てうせう
)
の
意味
(
いみ
)
ではあるが
何處
(
どこ
)
となく
沈
(
しづ
)
んで
又
(
また
)
斯
(
か
)
ういふ
者
(
もの
)
も
有
(
あ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
多勢の顏には、驚きと非難と、そしてほのかな
嘲笑
(
てうせう
)
が浮んで來ます。此時、狹い川を
隔
(
へだ
)
てゝ猿屋町のお角の家からは、三味線の音につれて、艶めかしい歌が
漏
(
も
)
れて居たのです。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
近来随筆の流行漸く盛んならんとするに当つて、随筆を論ずる者、必ず
一方
(
いつぱう
)
に
永井荷風
(
ながゐかふう
)
氏や、
近松秋江
(
ちかまつしうかう
)
氏を賞揚し、一方に若い人人のそれを
嘲笑
(
てうせう
)
する傾向がある。
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幸七のケロリとした顏には、
嘲笑
(
てうせう
)
と
侮辱
(
ぶじよく
)
が一パイに
漲
(
みなぎ
)
つて居るではありませんか。
銭形平次捕物控:166 花見の果て
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
バアトンの計画を
嘲笑
(
てうせう
)
した「印刷タイムス」の如きもあつた。「バ氏の此の事業に関係して居る筈の某々の氏名が訳本に
載
(
の
)
つて居らぬ。印刷者の手落ちならば正に罰金を課すべきである。 ...
リチャード・バートン訳「一千一夜物語」に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
高鳴る
嘲笑
(
てうせう
)
。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
(
突然
(
とつぜん
)
迸
(
ほとばし
)
る
如
(
ごと
)
き
嘲笑
(
てうせう
)
)その
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
は、
盜人
(
ぬすびと
)
さへ
色
(
いろ
)
を
失
(
うしな
)
つてしまつた。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
嘲
常用漢字
中学
部首:⼝
15画
笑
常用漢字
小4
部首:⽵
10画
“嘲笑”で始まる語句
嘲笑的
嘲笑癖
嘲笑者