“蹴倒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けたお77.8%
けたふ11.1%
けた3.7%
けたほ3.7%
けたを3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
忠作が武者振むしゃぶりつくのを一堪ひとたまりもなく蹴倒けたおす、蹴られて忠作は悶絶もんぜつする、大の男二人は悠々ゆうゆうとしてその葛籠を背負って裏手から姿を消す。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さし出し夫より四邊あたり立働たちはたらひまかたはらに立掛ありし鐵の延棒のべぼう故意わざと足にて蹴倒けたふし見るに少しもうごかず因て彌助は目方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『道楽はイクラしても構わん。貴様ぬしが儲けて貴様ぬしが遊ぶ事じゃケニ文句は云わんが、赤の他人でも親類になる……見ず知らずの他人の娘でも蹴倒けたおす金の威光だけは見覚えておけよ』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
下人は、すばやく、老婆の着物きものを剥ぎとつた。それから、あしにしがみつかうとする老婆を、手荒てあらく屍骸の上へ蹴倒けたほした。梯子の口までは、わづかに五歩を數へるばかりである。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
其他そのほか一團いちだん賤劣せんれつなる下等船客かとうせんきやくで、自己おのれ腕力わんりよくまかせて、突除つきの蹴倒けたをして、我先われさきにと艇中ていちう乘移のりうつつたのである。