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でんくわう
此時艦頭に
立てる
武村兵曹は、
右鬢に
微傷を
受けて、
流るゝ
血汐の
兩眼に
入るを、
拳に
拂つて、キツと
見渡す
海の
面、
電光の
如く
近づき
來つた
海底戰鬪艇は
チッバルトは
其儘一
旦逃去りましたが、やがて
又取って
返すを、
今や
復讐の
念に
滿ちたるロミオが
見るよりも、
電光の
如く
切ってかゝり、
引分けまする
間さへもござらぬうちに
僥倖に
雷は
聞こえなかつた。
可恐い
夕立雲は、
俥の
行くにつれて、
峠をむかう
下りに
白刃を
北に
返した
電光とともに
麓へ
崩れて
走つたが、たそがれの
大良の
茶屋の
蚊柱は
凄じかつた。
居ながら
海上海底の
光景を
觀測する
事を
得べく、
自動照凖器をもつて
潮流の
速力を
知り、
波動の
方向を
定め、
海戰既に
始まらは、
艇は
逆浪怒濤の
底を
電光の
如く
駛る、
其間に
立つて