“たとへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タトヘ
語句割合
31.0%
仮令19.0%
假令16.0%
例之9.0%
比喩5.0%
譬喩5.0%
縦令5.0%
例令3.0%
3.0%
縱令2.0%
俗諺1.0%
比諭1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
許され代々村長役たるべき旨仰付おほせつけられしかばよろこび物にたとへん方なく三浦屋の主人并びに井戸源次郎を始め其事に立障たちさはりし人々にあつく禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
仮令たとへ小供を通して、神様から嗤はれてゐるにしても、此の機会を利用して、虎の実態を研究して置くのが昨今の急務だと彼の職業が教へた。
(新字旧仮名) / 久米正雄(著)
上げ此事に付假令たとへ如何樣の儀仰せ付らるゝ共いさゝ相違さうゐの儀申上ざるにより御取調べの程ひとへに願ひ上奉つる尤も證據人忠兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
例之たとへば弟汝楩の子万年まんねんの女類は夭折の年月或は契合すべく、更に下つて万年の子くわん三の女つうとなると、明に未生みしやうの人物となる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
額広く、鼻隆く、眉すこし迫つて、容貌おもばせもなか/\立派な上に、温和な、善良な、且つ才智のある性質を好く表して居る。法話の第一部は猿の比喩たとへで始まつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
で、立騰たちのぼり、あふみだれる蚊遣かやりいきほひを、もののかずともしない工合ぐあひは、自若じじやくとして火山くわざん燒石やけいしひと歩行あるく、あしあかありのやう、と譬喩たとへおもふも、あゝ、蒸熱むしあつくてられぬ。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
縦令たとへ旦那様だんなさま馴染なじみの女のおびに、百きんなげうたるゝともわたしおびに百五十きんをはずみたまはゞ、差引さしひき何のいとふ所もなき訳也わけなり
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
喜見きけんとか云ふ、土地で一番の料理屋にれて行かれて、「毎日」が例令たとへ甚麽どんな事で此方にほこを向けるにしても、自體てんで對手にせぬと云つた樣な態度で、唯君自身の思ふ通りに新聞を拵へて呉れれば可い。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
いやしくもわが区々の悃誠こんせいを諒したまはば、幕吏かならずわが説をとせんと志を立てたれども、「蚊蝱ぶんばう山を負ふ」のたとへ、つひに事をなすことあたはず今日に至る、またわが徳の菲薄なるによれば
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
とげしに御門は御略體ごりやくたいにてお目通りへ召れ山内其の方は予が笏代しやくがはりをも勤め龍顏をも拜せし者なれば縱令たとへ九條家を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
せめて腕の半分も吾夫うちのひとの気心が働いて呉れたならば斯も貧乏は為まいに、技倆わざはあつても宝の持ち腐れの俗諺たとへの通り、何日いつ手腕うでの顕れて万人の眼に止まると云ふことの目的あてもない
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
至極しごく上手の女にあらざれば此おはたやをたつる事なければ、婦女ふぢよらがこれをうらやむ事、比諭たとへ階下かいかにありて昇殿しようでんくらゐをうらやむがごとし。