“喩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たと69.1%
たとえ13.6%
さと10.9%
たとへ2.7%
1.8%
たとう0.9%
サト0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これをたとうるに夫婦の関係とひとしく、勢力は亭主にして主人の位置に立ち、物質は女房にしてこれに付随するものでありましょう。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
絹糸のたとえは何とも知らず面白かったが、御仕合せですと云われて見ると、うれしいよりもかえっておかしい心持の方が敬太郎を動かした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「廿五日。晴。昨日総督より洋医可心掛之命有之。」蘭軒の養孫、榛軒の養子は遂に洋医方に従ふべき旨をさとされた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
武士は轡の音で目を覚ますのたとへで、まさにいざといふ時には不思議に目が醒めますね。
(新字旧仮名) / 喜多村緑郎(著)
誠に宜しく聖聴を開張し、以て先帝の遺徳をあきらかにし、志士の気を恢弘かいこうすべし、宜しくみだりに自ら菲薄ひはくし、をひき義をうしない、以て忠諫ちゅうかんの道をふさぐべからず——
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今の私の法悦はたとうるものもありません。そうです、お礼に参籠した今宵を記念しるしとして、ただ今からは御告命の二字をいただいて、善信と名乗ることにいたしまする。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おれも考へれば、たまらなくなつて来る。其で、氏人を集めてサトしたり、歌を作つて訓諭して見たりする。だがさうした後の気持ちの爽やかさは、どうしたことだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)