“吾夫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うち25.0%
やど25.0%
うちのひと25.0%
わがつま12.5%
わがをつと12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吾夫うちでも好きな道と見えましてね、運座でもありますとよくその方の選者に頼まれてまいりますよ。昨晩の催しは吉原よしわらの方でございました。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いえ——吾夫やどでも、小泉さんに御心配を掛けては済まない、そのかわりもうけさして頂く時には——なんて、そう言い暮しましてね。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
せめて腕の半分も吾夫うちのひとの気心が働いて呉れたならば斯も貧乏は為まいに、技倆わざはあつても宝の持ち腐れの俗諺たとへの通り、何日いつ手腕うでの顕れて万人の眼に止まると云ふことの目的あてもない
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
その懷かしきは何ぞ、その騁するは何をあてぞといはば、われ自ら答ふるところを知らず。されど夢に吾夫わがつまたるべき耶蘇やそを見、又聖母マドンナを見るときは、我心はこれに慰められたり。
自らおもへらく、吾夫わがをつとこそ当時恋と富とのあたひを知らざりし己を欺き、むなしく輝ける富を示して、るべくもあらざりし恋を奪ひけるよ、と悔の余はかかる恨をもひとせて、彼は己をあやまりしをば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)