“吾家”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うち62.2%
わがや20.3%
わがいえ6.8%
おうち4.1%
わぎへ2.7%
わがいへ2.7%
ごか1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「叔母さん、すこし吾家うちも片付きました。ちと何卒どうぞ被入いらしって下さい。経師屋きょうじやを頼みまして、二階から階下したまですっかり張らせました」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それから追捕を避けつつ千辛万苦する事数箇月、やっと一ヶ年振りの十一月の何日かに都に着くと蹌踉そうろうとして吾家わがやの門を潜った。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかし自分の財産を棄てて吾家わがいえを出るなんて馬鹿気ばかげている。財産はまあいいとして、——欽吾に出られればあとが困るから藤尾に養子をする。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こう三吉は答えて、「種ちゃん、吾家おうちへ行くんだよ」と言い聞かせながら、子供を肩につかまらせて出た。種夫は眠そうに頭を垂れて、左右の手もだらりと下げていた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なばひもねとや我妹子わぎもこ吾家わぎへかどぎてくらむ 〔巻十一・二四〇一〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
彼は三十分と立たないうちに、吾家わがいへ門前もんぜんた。けれどももんくゞる気がしなかつた。かれは高いほしいたゞいて、しづかな屋敷町やしきまちをぐる/\徘徊した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
抛下はうかす、吾家ごかの骨董羹。今日こんにちきつし得て珍重ちんちようならば、明日みやうにち厠上しじやうに瑞光あらん。糞中の舎利しやり大家たいかよ。(五月三十日)