“すぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スグ
語句割合
43.5%
21.8%
16.0%
5.5%
4.7%
2.7%
1.1%
0.7%
0.6%
0.3%
即刻0.3%
早速0.3%
0.3%
即時0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
直接0.1%
0.1%
0.1%
精撰0.1%
素繰0.1%
0.1%
0.1%
過活0.1%
選抜0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
疲労つかれと心配とで、私も寝台の後の方に倒れたかと思うと、すぐに復た眼が覚めた。一晩中、お房は「母さん、母さん」と呼びつづけた。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
空を横切るにじの糸、野辺のべ棚引たなびかすみの糸、つゆにかがやく蜘蛛くもの糸。切ろうとすれば、すぐ切れて、見ているうちはすぐれてうつくしい。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
きょうありて明日、炉に投げ入れらるる野の草をも、神はかく装い給えば、まして汝らをや。汝ら、これよりも遥かにすぐるる者ならずや。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
すぐれた芸術家ほどそういうものを豊かにもっている。人間性の様々の工夫、様々の思案を親切に評価し認めてゆくのは作家の愛です。
今度は上の方の睾を抜くのは容易だから二つ抜出してしまったら外皮を縫って放しておくと三十分もすぐればを拾って食べている。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
むかし、姓名判断などは、なかったのであるが、幸村ほど智才すぐれしものは時に際し事に触れて、いろいろ名前を替えたのだろう。
真田幸村 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ロシア及びフランスのそれぞれ最もすぐれた最も深い短篇作家も、共に、スティヴンスンと同年、或いは、より若く死んでいるではないか、と。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
なるほど、このすぐれた生理学者は、黒船の心臓を生かすことは出来ないのだ。僕は
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
仔細しさいを聞いた老職たちは、主君の恥辱をそそぐ大切な事柄なので、すぐに八方へ人をり、特に大きなのを集めたうえ更にその中からすぐって十本
蕗問答 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
日出雄ひでをや、おまへちゝとは、これから長時しばらくあひだわかれるのだが、おまへ兼々かね/″\ちゝふやうに、すぐれたひととなつて——有爲りつぱ海軍士官かいぐんしくわんとなつて、日本帝國につぽんていこく干城まもりとなるこゝろわすれてはなりませんよ。
それはみんな即刻すぐにやらなければならない。それを長く放つておくと、もう取り返しのつかない事になる。
忠太はアタフタと出て行つた、が、早速すぐまた引き返して来た。後には一人物が随つて居る。多分既に草鞋を解いて、玄関に上つて居たつたのであらう。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
汽車を待つ二三時間はすぐつた。左右さうかうするうちに、停車場ステーションさして出掛ける時が来た。流石さすが弁護士はせはしい商売柄、一緒に門を出ようとるところを客に捕つて、立つて時計を見乍らの訴訟話。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
馬車で走っている間に、私はいく度か笑いながら後を追って来る子供達を早く追いついて踏段に乗れとさしまねいたが、彼等は即時すぐ真面目まじめになり、近くにいる大人に相談するようなまなざしを向ける。
蒹葭深処月明多 蒹葭けんかふかところ月明らかなることすぐれり〕
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
不意に橋の上に味方の騎兵があらわれた。藍色の軍服や、赤い筋や、鎗の穂先が煌々きらきらと、一隊すぐって五十騎ばかり。隊前には黒髯くろひげいからした一士官が逸物いちもつまたがって進み行く。
市郎は医師の手当てあてよって、幸いに蘇生したので、すぐふもとき去られていたが、安行とお杉と𤢖との三個みつの屍体は、まだ其儘そのままに枕をならべていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
予往年大英博物館で、この蛙アルコールづけを見しに、その蹼他の蛙輩のよりすぐれて大なるのみ、決して図で見るほどおおきになかった。
その話を妙善から、直接すぐ祖父じいが聞いたんです。ある祖父じいが僕を連れて、その墓場へ見せに行った。見ると、ちゃんとしゅが入っている。——
□本居士 (新字新仮名) / 本田親二(著)
由「大変ていへんだ、まるで病人の始末だねえ、あゝ腰がすくんであるけませんが……やア大層ていそう立派なうちだが……おかしい、坂下から這入るとまるで二階下で、往来からすぐに二階へいる家は妙で、手摺が付いてある……」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そして間もなく、伊那方面へは、洞院左膳を大将として、国内をすぐった精兵を向け、御嶽冠者の抑えとしては、郡代に防衛の厳命を下だし、加勢の兵を差し向けた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「門弟より精撰すぐって三十人、屋敷の周囲に伏せて置き、合図を待って斬り入るよう、手筈十分に致し置きました」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
部屋の中央へツツ——と出ると、小四郎へ向けてピタリと付け、ヒュッ——、ヒュッ——と素繰すぐりをくれる。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
韲臼さいきゆうは即ち辛きを受ける器で『辞』の字に当ると考えます。これを連ねて『絶妙好辞』これは邯鄲淳の文を賛して、すぐれてたえなることばと褒めたものと存じますが
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二氣の正しきに乘り、五行のつぎてととのへ、あやしき理をけてひとすすめ、すぐれたるのりを敷きて國を弘めたまひき。
それも多少すこしは祖母を引うけた家から扶助みついでもらって僅かに糊口くらしを立てていたので、お秀の給料と針仕事とでは三人の口はとても過活すぐされなかった。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
日頃、平四郎と余りよしみのない若侍のうちから、約二十名ほど選抜すぐって、それに、練達な役人が三、四名付き添い——宮崎市之丞を、先に立てて甲府城から馳け出した。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聡敏そうびん人にすぐれ、早く叡山に上り、慈覚大師に就いて顕密の二教を学びてその秘奥ひあうを極む、又、花山の辺昭に就いて胎蔵法を受く、ひろく経論に渉猟せふれふし、百家に馳聘ちへいして、その述作する所、大教を補弼ほひつ