“ませ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マセ
語句割合
早熟48.1%
老成11.1%
間瀬9.3%
7.4%
馬柵3.7%
馬塞3.7%
1.9%
1.9%
夙慧1.9%
大人1.9%
成熟1.9%
早老1.9%
柜楉1.9%
桟木1.9%
真瀬1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、早熟ませた葉子への執着が、き切れなくなった時に彼が見つけたのは、あの煎餅のかけらが産んだ、恐ろしい恍惚境エクスタシーだった。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
恵美は、いろんな外の事では、老成ませていたが、私が「残飯食い」であることや、シチョウユーソツが、一番ビリッこの兵隊であることなどは、知らなかった。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
「それじゃ待っている。ついでに言って置くが、僕のところへ来たら、もう間瀬ませと呼んじゃ困るよ」
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
日あたりのませの白菊小町菊盛り過ぎつつなほししづけさ
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
籠ながら涼し花もつ秋草はその馬柵ませ越しに黒馬あをが食みつつ
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
馬は人の近づいたのを見てがさ/\と敷き込んである落葉を踏みつけながらフヽフヽと懷しげに鼻を鳴らして馬塞ませ棒から首を出して吊つてある飼料かひば桶を鼻づらでがた/\と動かして居る。
芋掘り (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
聞定て來て參ますから成程是は大人おとなより幼稚こどもはうが遠慮がなくて聞には至極しごくよからうから何分頼と管伴ばんたうに云はれて心得打點頭うちうなづきませたる和吉は其儘に立出音羽へ至しが何處いづことはんと思案にくれまづ大藤が住居なる路次へ思はず入にけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見やりて父は打笑ひませた樣でもまだ幼稚こども兎角とかく縁談の事などはづかしいのが先に立ゆゑ判然はつきり返事へんじも出來ぬ物だが一しやう連添つれそふ本夫をつとの事いやな者をば無理むりやりに行とは決して言はせねど昨日きのふ向ふは其方そなた
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
級長は卓子テーブルの前に進んだ。校長も、文平も、きつと鋭い眸をこの生徒の顔面おもてに注いだ。省吾なぞから見ると、ずつと夙慧ませた少年で、言ふことは了然はつきり好く解る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一緒にその大人ませた陋しい、眼の大きく額の白い子供の顔がさも恨めしさうにほろほろ泣いてゐる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひねこびた娘は成熟ませた顔をして云った。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
それよりは叔父がうして来た時には、口先許りでも礼を言つて喜ばせて置いたら可からう、などと早老ませた事を考へてゐた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
美し人を柜楉ませに見む
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
それを一桝とれとか二桝ともいった。桟木ませは——ツマリ仕切りは、出方でかた——劇場員によって取りはずしてくれるから、連れであることは桝を見ればわかるのだった。
ませのうちなる白菊、というのは真瀬ませいちという按摩の金貸しのお嬢さん。われら(吾良)というのは憶良おくらの弟子ぐらいにあたる貧乏な詩人。かくしつつ、というのは確執かくしつして。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)