間瀬ませ)” の例文
新潟県では弥彦山やひこさんの背後、海に臨んだ間瀬ませという村で、狸を飼う人から橋浦君の聴いて来た話は詳しい。この地方にもタヌキという語はなく、一般にムジといっている。
狸とムジナ (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「それじゃ待っている。ついでに言って置くが、僕のところへ来たら、もう間瀬ませと呼んじゃ困るよ」
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
目付の間瀬ませ久太夫、植村与五右衛門の五人が、木彫きぼりのような硬ばった顔をそろえて出て来た。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ハ、お耳にとまって恐れ入ります。愚楽様と、南町奉行大岡越前守様御同道で、夜中やちゅうこの時ならぬ時刻にお目通り願いいでておりまする。おそば御用、間瀬ませ日向守様ひゅうがのかみさまが、おことわり申しあげておりますので」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「お話し致そう、お聞き下され。……今から思えば五年の昔、拙者二十九の春のことでござるが殿に一羽の名鶯がござって、ご寵愛遊ばされ居られました所、拙者の朋友間瀬ませ金三郎誤って籠から取り逃がしましてござる」
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
勝田新左衛門や、矢頭やとう間瀬ませなどの人々が
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)