黎陽れいよう)” の例文
前後両営の官軍二十万、馬はいななき、鉄甲は鏘々そうそうと鳴り、夜が明けてもなお陸続とたえぬ兵馬が黎陽れいようをさしてたって行った。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先陣は、冀州きしゅうの猛将として名ある顔良がんりょうにも命じられていた。勢いに乗じて、顔良はもう黎陽れいよう(河南省・俊県附近)方面まで突っこんでいた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「大きにそうだ。しかしいま、曹操は黎陽れいようまで引揚げ、呂曠と呂翔もつれて行ってしまったが、何かよい工夫があるかの」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのあいだに、予は袁紹の兵をやぶり、黎陽れいようから勝ちに乗って徐州へ迂回し、手ずから玄徳の襟がみをつかんで都への土産として凱旋するつもりだ
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もちろん黎陽れいようとか官渡とかの要地には、強力な部隊を、再征の日に備えて残して行ったことはいうまでもない。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今、濮陽城ぼくようじょうは留守の兵しかいません。呂布は黎陽れいようへ行っているからです。即刻、閣下の軍をお進め下さい。わたくしどもは機を計って内応し、城中から攪乱かくらんします。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
袁紹えんしょうはわずか八百騎ほどの味方に守られて、辛くも黎陽れいようまで逃げのびてきたが、味方の聯絡はズタズタに断ち切られてしまい、これから西すべきか東すべきか、その方途にさえ迷ってしまった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)