鶯横町うぐいすよこちょう)” の例文
そうして、着京後間もなく根岸ねぎし鶯横町うぐいすよこちょうというのを尋ねて行った。前田邸の門前近くで向うから来る一人の青年が妙に自分の注意を引いた。
高浜さんと私 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その線路の右端の下方、すなわち紙の右下隅に鶯横町うぐいすよこちょう彎曲わんきょくした道があって、その片側にいびつな長方形のかいてあるのがすなわち子規庵の所在を示すらしい。
子規自筆の根岸地図 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
鶯横町うぐいすよこちょうは右下半に曲線を描いて子規庵は長さ一センチくらいのいびつな長方形でしるされてある。
子規の追憶 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
何でも上根岸八十二番とか思うていたが家々の門札に気を付けて見て行くうち前田のやしきと云うに行当ゆきあたったので漱石師そうせきしに聞いた事を思い出して裏へ廻ると小さな小路こうじで角に鶯横町うぐいすよこちょうと札が打ってある。
根岸庵を訪う記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)