鳥飼とりかい)” の例文
右に就て同解放治療場の監視人であった甘粕藤太氏は、負傷した胸部に繃帯を施したまま市内鳥飼とりかい村自宅に於てかく語った。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その社殿を何度も造り替えたのは、だんだん大きくなって、はいらなくなって来たからだといっております。(校訂筑後志。福岡県三瀦みずま鳥飼とりかい村)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「右手の岸に見えるのが、鳥飼とりかいの里だから、もう、いくらもない。——神崎川と、安治あじ川の三ツ股に、分れる川の。そこが、江口の君たちのいます村だよ」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十七歳の十二月はじめに上総かずさ木更津きさらづ鳥飼とりかいというところの料理兼旅館の若主人の妻となった。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
この老人は、名前を鉢巻儀作はちまきぎさくと申しますが、その五代前の祖先、すなわちこの儀作の曾々祖父に当ります者は、福岡の御城下、鳥飼とりかい村に居りました名高い豪農で、同名儀十ぎじゅうと申す者で御座いました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)