魚籠ビク)” の例文
ぶらりと釣竿と魚籠ビクとを持つて出かけた、そして草の上の樹蔭によい場所があつたので、そこへしがマヽんで、釣ることよりも考へることをつゞけてゐた、ちつとも釣れない
行乞記:04 (三) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
私は尺に近い赤魚を、サンザン苦労して引つ張り上げ、魚籠ビクに入れる直前に落した。
氷雨 (新字旧仮名) / 葉山嘉樹(著)
そこで私は鉄鉢を魚籠ビクに持ちかへた、人生は時に応じ境に随うてこだはらないのがよろしい。
其中日記:08 (八) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
魚籠ビクさかさまにしぐれてゐる
四国遍路日記 (新字新仮名) / 種田山頭火(著)
・大魚籠ビクはからつぽな春風
旅日記:03 昭和十四年 (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)