氷雨ひさめ
暗くなつて来た。十間許り下流で釣つてゐる男の子の姿も、夕暗に輪廓がぼやけて来た。女の子は堤の上で遊んでゐたが、さつき、 「お父さん、雨が降つて来たよ」 と、私に知らせに来た。 「どこかで雨を避けておいで」 と返事をしたまま、私は魚を釣り続け …
作品に特徴的な語句
魚籠ビク